ミネラルの戯言

ツイートするにはちょっと長い話を綴ります

バカなりに見えてきた神林美智子と菅井友香の関係

飛龍伝2020

観に行った。

辛い運命を背負った彼女、神林美智子の女としての生き様をギュッとギュッとギュッと2時間ちょっとに詰め込んだ濃い作品。台詞多いし、早口だし、怒鳴ってるから正直ほぼ聞き取れないとこもあったし、ごちゃっとしてるけど、勢いのある舞台って印象。

でもこれは予備知識があったら違って聞こえたのかもしれない。知ってる単語と知らない単語じゃ、耳の受け入れ方が違うじゃない?

話が進むにつれ物語が見えてきた、味方さんはどういう立場の何の役なのか、とか石田さんは何なのかとか、そもそも神林美智子どっちサイドなん?とか、この辺は原作読んどけば良かったなって特に後悔した。知ってたらすんなりいくんだろうな。小ボケにもすぐ対応出来たんだろうな。くう。。

何番隊隊長!とか台詞で良く出てきてて、白ひげを何度も思い出したよ。分かる人にだけ分かればいいやこれは。

神林美智子がどんな人間なのかとかは、ゆっかーの完璧すぎるまとめられた言葉で説明されてるので各種インタビュー記事を読むと良い。

https://entertainmentstation.jp/579452

誰のどんな言葉よりも耳馴染みのいい台詞回しだな。菅井友香さん。素晴らしいな。

ゆっかー込みのダンスが結構あった、いうても3回とかだけど。セゾンとか、ガラスを割れとかの振り付けが入っててその時だけ楽しそうだったり、慣れた表情を一瞬浮かべるのとかは忘れないで欲しい感覚だなと。これでいいんだよこれで。たまに中の人が見えるくらいが丁度いいんだよ。ところで欅ほんとーに好きなんだなあ。

歌って踊る姿を間近でこんなにも観れるのは本当に助かる。やはりアイドルの彼女が好きだし、それでいいんだと思う。

最初まるメガネで登場した彼女は、菅井友香寄りだったんだが、急に40万人を束ねるリーダーに任命されたあの瞬間、目つきがギラッと変わってさ、ありゃあ菅井友香じゃねえな、って。

今から見た事ないもん見せてくれるんだなってゾワゾワしたよ。欅のライブが始まった時に感じるあの心の動きと、なんだか近くて、あったかくて、冷たくて、ふふふ嬉しかった。

そうそう、時代背景もあって、ちょっと下ネタ?って言うのかなー、そういうんじゃないんだけど、男女の関係のような表現だったり言い回しだったり、女性が下に立ってる、男尊女卑の風刺が、舞台じゃなきゃセクハラだ!ってくらいのがふんだんに組み込まれてたんだが、あれはちょっとなぁ、やり過ぎだよな。って。繰り返しになるけど、時代だから仕方ないのだが!

そうね、ゆっかー、意味分かってる?いや知らなくていいんだけどさ。って台詞やら動きやら、いっぱいでさ、勝手に悲しくなったよクソオタクは。

でもさ、ちょっと考えてみたけどあれは手段なんだよな。あの時代を生きるための、神林美智子が愛する人を守る為の、学生運動を成功させる為の方法と選択の一つだったんだよな。目を背けちゃダメな過去があそこにはあって、それを大衆ウケさせる為には、あれほど振り切ってお茶目に、ボケてやるのがいいのかな。正解なんてないか。

だけどやっぱり俺は少しやり過ぎだなって思ったよ正直。演技とはいえ、辛かったなぁ。中身も悲しいし、身体なんて売らなくていいよって。その時だけ菅井友香に見えちゃって、止めてくれよって声を上げそうになったよ。汗汗汗汗汗汗。嘘だけどさ。

よくコメントで、このタイミングでゆっかーが神林美智子をやるのは運命だった、適切だったとか、言ってるけど、どこがだったんだろう。ってね、思ったりもしたよ。舞台を見た今現在でも思うよ。尚更思ったりもする。激しかったからね色々と。

色々考えた。泥臭くて荒々しくて、強くたくましい神林美智子と、元々お嬢様として愛に包まれて伸び伸びと育ったであろう菅井友香。真反対な所に居る筈の2人がリンクした時に面白い化学反応が起こるみたいな、そういう事なのかな、でもしっくりこない。分かんないや。

でもね、ゆっかー自身が受け入れて飲み込んで、表現してくれたあの女性は間違いなく神林美智子だったし、最高にカッコ良くて、最高に人間臭かった。

あー、そうだな。千秋楽まで駆け抜けた時、その時に、ゆっかーが神林美智子を演った意味が分かるのかもしれないね。

既にその時が楽しみだよ。